哲学をやってるやつは漏れなくキモい

数多ある学部の中からわざわざ文学部を選び、数多ある専攻の中からわざわざ哲学を選んだ俺だが、今となっては哲学という学問、及びそれを取り巻く連中に対してネガティブなイメージしかない。哲学にかぶれた文学部生がツイッターとかブログとかで「エクリチュールが~」とか「弁証法的に~」みたいなことをほざいているとキモすぎて反射的に視界から外してしまう。中世哲学やってるやつは論外でキモいし、フランス現代思想やってるやつも気取っててキモい。分析哲学辺りはまだマシだがやはりキモい。

哲学やってるやつって本当にキモいんだよな。演習の初回講義の自己紹介で突然死生観について語りだす女とか普通にいるし、哲学書の解釈で教授とバトルを始める奴もいた。

そもそも哲学者も大概がキモい。基本的に何を書いているのか全く分からない。分かりづらい文章を書いておけばいいと思っている勘違い野郎の集まりでしかない。自分の底が知られるのが嫌だからわざと胡乱な物言いをしているジジイの文章を自意識の塊みたいな大学生が分かったような顔をしながら考察している絵面とかもうバカらしくて仕方ない。

哲学が好きなやつってのは大抵が批評も好きなのだが、この批評家気取りのやつらも当然キモい。ドゥルーズとかなんかその辺の訳わからない思想家を引用して気持ちの悪い文章を展開しているブログなんてたまったものではない。

前回の記事でお前も思想が好きとか書いてたじゃねーかって話だけど、要は俺が好きなのは哲学であって哲学史ではないってことなんだよね。大学で学ぶことのできる哲学ってのはあくまで哲学史でしかなくて、ぼんやりとした思索活動が好きなだけの俺にはまるで合わなかった。認めるのは癪だが周りの大学生の方がテキストを読解する能力は高かったし熱意も桁違いだった。だからだんだんやる気も失っていって卒論を書くモチベーションなんかも失せてしまった。畢竟、俺は哲学史という学問に対して敗走をして、それが悔しいからキモいと言い続けているだけだ。典型的な酸っぱい葡萄ってやつ。一番キモい哀れな人間は俺だったのだ。

高い金を出して買ったはいいけどロクに手を付けていない哲学書の数々が今日も本棚から俺を見下ろしている。